アジア最大の航空会社である中国南方航空が、スロベニアのリュブリャナ空港の買収を狙っている。海外市場への取り組みを強化し国際線の拡充を目指す同社は、リュブリャナ空港を南東欧地域のハブ空港としたい考えで、同空港を拠点とするスロベニアのフラッグキャリア、アドリア航空を傘下に収めることも検討しているもようだ。
\スロベニア政府は5月、財政安定化策の一環として国営企業15社を民営化すると発表。リュブリャナ空港の運営会社であるアエロドロム・リュブリャナとアドリア航空も売却対象に含まれている。現地メディアの報道によると、中国南方航空は今月初旬にリュブリャナ空港の買収について協議するため代表団を派遣。オメルゼル・インフラ・空間計画相に会談を要請したが拒否された。オメルゼル氏は、「すべては民営化法の規定に従って進める必要がある」と会談を拒否した理由を説明したうえで、「リュブリャナ空港の発展のための資金だけでなくシナジーをもたらすパートナーを見つけることが重要だ」と述べた。
\中国南方航空は420機の航空機を保有し、121都市に就航する世界有数の規模を持つ航空会社だが、欧州での乗り入れはアムステルダム、パリ、ロンドン、モスクワ、イスタンブールに限られている。同社がリュブリャナ空港の買収に乗り出した背景には、同空港を足がかりに欧州路線の拡大を図りたいとの思惑があると見られる。
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