2013/7/31

ロシア

4-6月期GDPは1.9%増、下期に持ち直し期待も

この記事の要約

ロシア経済の足踏み状態が続いている。クレパチ経済発展次官が19日発表した4-6月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比1.9%と、1-3月期の1.6%からは改善したものの低い伸びにとどまった。上期(1~6月)は前年同 […]

ロシア経済の足踏み状態が続いている。クレパチ経済発展次官が19日発表した4-6月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比1.9%と、1-3月期の1.6%からは改善したものの低い伸びにとどまった。上期(1~6月)は前年同期比1.7%だった。

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低成長の要因は、主要な貿易相手である欧州の景気低迷による輸出の伸び悩みと、GDPの5分の1を占める設備投資の減速にある。連邦統計局(ロススタット)によると、6月の設備投資は前年同月から3.7%減少した。

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設備投資の減速は、ガスプロムやロスネフチといった大手コモディティー企業が支出を削減していることや、外国投資家がロシア経済に対する不安感や自国の景気悪化の影響で資金を引き上げていることが原因だ。大手証券会社オトクリティー・キャピタルのティホミロフ氏は、「国営企業を含む大手企業が投資計画を縮小している。政府支出もインフレ率を考慮した実質では減少している。消費者の需要も実質所得の伸びの鈍化に伴い弱含んでいる」と指摘する。

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ロシアの13年の経済成長率は2.8%と予想されている。しかし、大手投資会社ルネッサンス・キャピタルのチーフエコノミスト、チャカロフ氏は、上期の成長率が予想を下回る数字だったことから、「コンセンサスは2.5%程度に下方修正される」との見方を示す。

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アナリストの間では、下期は穀物の豊作が予想されることなどから成長が再び加速するとの見方が有力だ。農業省の予測によると、今年の農業生産は昨年と比べ30%増加する見通しで、食品価格の下落やインフレ抑制効果が期待できる。チャカロフ氏は、「農業生産が増加しインフレが減速すれば、中央銀行が利下げに踏み切る理由ができる」として、景気持ち直しに期待が持てるとの見方を示している。

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