日本は24日、ロシアが輸入車に課している廃車処理税(リサイクル税)が世界貿易機関(WTO)のルールに違反しているとして、協定に基づく協議を要請した。この件でロシアを提訴したのは9日の欧州連合(EU)に続いて日本が2カ国目。米国も提訴を検討しているもようだ。
\リサイクル税は、廃車手数料の名目で徴収されている。その額は、新車で約420~2,700ユーロ、車齢3年超の中古車で約2,500~1万7,200ユーロにも上る。
\しかし、国内生産車や、ロシアと関税同盟を結ぶベラルーシとカザフスタンからの輸入車は一定の条件の下、免税が可能だ。日本はこれが貿易における無差別原則を掲げるWTO協定に違反しているとみている。
\協議要請はWTOの紛争解決手続きの第一段階にあたり、日本とロシアは是正に向けた協議を行う。60日以内に合意に至らない場合、WTOにパネル設置を要請し、準司法的な仕組みで紛争を解決する。
\ロシアは20年越しの交渉の末、昨年8月22日にWTO加盟を果たした。これに伴い、乗用車(新車)の輸入関税を30%から25%へ引き下げたが、9月1日にはリサイクル税を導入した。
\米国は、今年5月までにリサイクル税の課税対象額は12億5,000万米ドル上ったとしている。また、EUも課税対象額は年間で100億ユーロに上ると推算している。
\EUはリサイクル税導入後、即座にロシアに抗議し、交渉の末、今年7月までに国産車にも課税することを約束させた。しかし、下院に関連法案が提出されたのは5月末で、成立は早くて11月ごろとなる見通しだ。このため、EUをはじめとして提訴の動きが広がっている。
\ \■日本、ウクライナも提訴か
\ \日本はまた、ウクライナが今年4月、輸入車に対する追加関税を導入したことが自由貿易の妨げになっているとして、同国との交渉が前進しなければWTOへ提訴する方針を示している。ウクライナは3年間の時限措置として、排気量1,000~1,500ccのガソリン車の新車輸入について6.46%、1,500~2,200ccについて12.95%を追加的に課税している。
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