ロシアの工具市場は約90%をドイツ、日本、中国、米国、インド、フィンランドなどからの輸入品が占めている。同国では建設業界を中心に工具の需要が順調に伸びており、今後も市場の拡大が期待できる。
\13日発行の独経済誌『オストヴィルツシャフツレポート』によると、人気が高い工具メーカーとしてボッシュ、日立、フエスト、オリンピアなどが挙げられる。プロの間では品質に定評のある欧米メーカーの製品の人気が高いが、個人は安価なアジア製品を愛用する傾向があるという。
\ロシア国内には現在、約20社の工具メーカーがある。このうちノボシビルクス工具工場 (NIZ)、カムイシンハンドツール工場 (KZSMI)、ZSMIラプテヴォ、イシェフスク工具工場(IIZ)の4社が、国内の工具生産の7割を占めている。
\ロシアの工具メーカーは、長年にわたる国内の大手企業との顧客関係によって命脈を保っている。しかし、欧米メーカーに対抗できる品質を持つ電動工具を生産する能力はなく、汎用工具の分野では中国やインドの製品の流入で価格競争力を失いつつある。『オストヴィルツシャフツレポート』は、ロシアメーカーは、品質を向上させる以外に生き残る道はないと厳しい見方を示している。
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