2013/9/11

ハンガリー

ハンガリー政府、外貨建て債務のフォリント換算を要求

この記事の要約

ハンガリーのオルバン首相が国民の負担軽減に向け、金融業界と電力業界に新たな要求を突き付けている。銀行には6日、11月までに外貨建て債務者にフォリント建て契約を好条件で提供することを求めた。また、9日には2度目の電力料金引 […]

ハンガリーのオルバン首相が国民の負担軽減に向け、金融業界と電力業界に新たな要求を突き付けている。銀行には6日、11月までに外貨建て債務者にフォリント建て契約を好条件で提供することを求めた。また、9日には2度目の電力料金引き下げを実行する方針を明らかにした。来年の議会選挙を控え、国民の支持を一層固める狙いのようだ。

\

ハンガリーでは多くの人が、2008年の金融危機前にスイスフランやユーロで住宅ローンを組んだ。しかし、国内通貨フォリントの下落で返済額がかさみ、その重圧にあえいでいる。家を手放した人も少なくない。

\

オルバン首相はすでに一度、全額返済を条件に、借入額を割引レートで換算することを銀行に強制した。しかし、大金を用意できるのは富裕層だけとの批判が出ていた。

\

今回の要求はこれを受けたもので、外貨建て融資契約をフォリント建てに転換する内容。オルバン首相は、切り替えに伴う負担の大半は銀行側が負うべきとの立場だ。11月1日までに銀行側から政府の意向に沿った提案が出なければ、強制レートで換算してフォリント建てに切り替えると警告している。

\

銀行業界は公の批判を控えているが、政府、債務者、銀行の合意による解決を求めている。オルバン首相に近いチャーニーOTP銀行総裁は、強制換算になれば業界の損害は30億ユーロに上ると予測している。

\

一般世帯向け電力料金は、夏の10%引き下げに続き、11.1%の値下げが実施されるもよう。(東欧経済ニュース2011年12月21日号「政府が金融業界とコスト分担で合意、外貨建て債務問題で」を参照)

\
ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |