ルーマニアの国営貨物鉄道会社CFRマルファの民営化が失敗した。運輸省の発表によると、買収を予定していた国内最大の民間鉄道会社グルプ・フェロヴィアル・ロマン(GFR)が期限までに買収額の残金を支払わなかったことが直接の理由。
\ルーマニア政府は、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、欧州連合(EU)からの金融支援の条件の1つとして、CFRマルファ株51%の民営化を求められており、政府は早急に買収手続きを再開することになる。
\民営化挫折の真の理由は明らかでない。GFR側は、「政府が契約で定められた義務を果たさなかったため」と説明。また、資本関係が不明確で、民営化対象となる51%の株数さえ確定していないと主張している。
\これに対し、マネスク運輸相はGFRが主張するような事実はないと否定。入札段階で払い込まれた保証金1,000万ユーロの没収を検討する方針だ。
\民営化委員会によれば、GFRの買収資金調達が不十分であったことと、競争当局への許可申請が遅れたことが理由という。
\ルーマニアでは昨年4月、銅鉱山クプルミンの民営化が失敗し、落札者のカナダ企業ロマン・コパーが政府に対し裁判を起こしている。また、同9月には化学大手オルトキムの民営化も資金調達失敗で挫折。なぜ成功しなかったのか、理由がはっきりしない部分が多く、政府の姿勢にも原因があるのではという憶測も浮上している。
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