ボスポラス海峡横断鉄道が10月29日、正式に開通した。トルコの首都イスタンブールの欧州側とアジア側を結ぶもので、海峡横断橋の交通渋滞の緩和につながると期待される。工事は大成建設とトルコ現地企業の合弁で実施され、開通式には安倍総理大臣も出席した。
\今回開通した海峡横断鉄道は、欧州側とアジア側の鉄道網を結んで中国からロンドンまでの貨物輸送を実現する「マルマライ」プロジェクトを構成するものだ。トンネルの長さは1.4キロメートルだが、今後工事を進めて全長13.6キロメートルの地下鉄を完成させる。総投資額は330億ユーロに上る。
\イスタンブールでは欧州側とアジア側を行き来する人が多く、2本の横断橋の慢性的な渋滞が問題となっている。自動車以外の交通手段としてはフェリーがあるが、今回開通した鉄道は所要時間が4分とフェリーの5分の1に短縮される。当局では、今後の整備で市民の鉄道利用率を現在の4%弱から30%程度に引き上げる目標だ。
\旅客輸送もさることながら、ボスポラス鉄道の最大の目玉は貨物輸送にある。「マルマライ」プロジェクトが完了すれば、中国からロンドンまでが鉄道で結ばれる。中央アジアの新興国を経由することになり、現代版「シルクロード」と呼ぶ人もいる。
\その意義の大きさを示すように、開通式にはルーマニア首相やソマリア大統領など外国からの賓客も多数出席した。
\「マルマライ」はマルマラ海とトルコ語で「線路」を意味する「ライ」の合成語。
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