米石油メジャーのシェブロンは2日、ルーマニア東部のシェールガス探鉱に向けた準備作業を再開した。住民らの反対で10月に中止し、対話による解決を模索していたが、めどが立たず、警察の協力を受けて続行に踏み切ったもようだ。シェブロンは当局の許可に基づいて、通常の設備を使い、環境に配慮した探索作業を行うと発表している。
\シェブロンは10月、ルーマニア東部のヴァスルイ県プンジェシュティの鉱区における試掘井掘削に必要な許可を取得した。しかし、近隣住民からの抗議行動が続き、設備を一旦撤去して対話を模索する方針に転換していた。
\しかし、その後も抗議は収まらず、住民らがキャンプを張って鉱区に向かう道路の封鎖を続行。これに対し、ルーマニア警察は2日、数百人規模の機動隊員を投入して住民らを強制排除した。
\シェールガス探鉱に対する抗議行動の背景には環境汚染への懸念がある。おりしも9月にはルーマニア中部のロシア・モンタナにおける金鉱開発で、使用されるシアン化物の毒性に国民の不安が高まり、大きな反対運動が起きていた。これに呼応する形でシェールガス開発の反対運動も盛り上がった。(東欧経済ニュース10月23日号「米シェブロン、ルーマニアでのシェールガス開発を延期」を参照)
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