2014/3/19

総合・マクロ

EU補助金消化率、バルト諸国が上位

この記事の要約

欧州連合(EU)の結束基金から中東欧の加盟国に割り当てられた補助金の消化率はバルト諸国で高く、バルカン諸国で低いことが、墺金融大手エルステ・グループが11日発表した報告書で明らかになった。 2007~13年に割り当てられ […]

欧州連合(EU)の結束基金から中東欧の加盟国に割り当てられた補助金の消化率はバルト諸国で高く、バルカン諸国で低いことが、墺金融大手エルステ・グループが11日発表した報告書で明らかになった。

2007~13年に割り当てられた補助金の消化率はエストニアが81.3%で最も高く、リトアニアが78.8%、ポーランドが67.9%で上位を占めた。一方、ルーマニアが37.8%、ブルガリアが49.5%、チェコが51.1%でワースト3となった。エルステ・グループ傘下チェスカー・スポジテルナ(CS)のEUオフィス代表で、報告書を執筆したイェドリチカ氏は、ルーマニアの消化率の低さは行政に補助金を活用するための経験と能力が不足しているためだと指摘する。

14~20年にはクロアチア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアの6カ国だけで、結束基金の予算総額の約半分に当たる1,671億ユーロが割り当てられる。報告書は、補助金が今後有効に活用されるためには、情報公開を徹底することが効果的だと主張する。欧州委員会は現在、補助金消化率に関する統計を不定期に発表しているが、これをより頻繁に定期的に発表することで市民の関心が高まり、各国政府が補助金の有効活用に取り組む圧力になるとしている。