欧州連合(EU)統計局ユーロスタットが1日発表した2月の域内失業率は10.6%となり、前年同月から0.3ポイント改善した。前月比では0.1ポイント低下した。ユーロ圏は11.9%となり、5カ月間同じ水準を維持した。前年同月比では0.1ポイント減少した。
中東欧では8カ国で改善、2カ国で悪化、1カ国で増減なしとなった。
国別ではクロアチアが前年同月比0.7ポイント増の17.6%と最も高かった。これに、スロバキア(0.3ポイント減の13.9%)、ブルガリア(0.2ポイント増の13.1%)、ラトビア(第4四半期、2.2ポイント減の11.6%)、リトアニア(1.1ポイント減の11.5%)が続いた。
一方、最も失業率が低かったのはチェコで0.5ポイント減の6.7%に改善した。以下、ルーマニア(増減なしの7.2%)、ハンガリー(1月、2.9ポイント減の8.3%)、エストニア(12月、0.7ポイント減の8.7%)、ポーランド(0.9ポイント減の9.7%)、スロベニア(0.7ポイント減の9.8%)の順となった。
過去1年の増減を国別でみると、ハンガリーが最も大きな改善を示した。ただ、雇用促進政策の枠内で最低賃金を下回る低賃金雇用が急速に増えたことや、国内に住所を残して外国に働きに出ている人を統計に加えるといった措置が失業率を押し下げており、必ずしも労働市場の活性化を示していない点に注意が必要だ。
他の国ではラトビアとリトアニアで1ポイント以上減少した。
24歳以下の若年失業率は、EU域内平均で0.7ポイント減の22.9%、ユーロ圏で0.5ポイント減の23.5%となった。
中東欧諸国ではクロアチア(第4四半期、48.8%)が最も高く、EU全体でも最悪となった。このほか、スロバキア(32.3%)、ブルガリア(28.4%)、ポーランド(26.9%)でも25%を超え、厳しい状況が続いている。
最低はチェコの17.1%。これにエストニア(12月、19.1%)スロベニア(第4四半期、20%)、リトアニア(21.1%)、ハンガリー(1月、23%)、ラトビア(第4四半期、23.8%)、ルーマニア(第4四半期、24.1%)が続いた。