EU(欧州連合)の欧州委員会のエッティンガー委員(エネルギー担当)は19日、ロシアからウクライナへの天然ガス供給をめぐり、ロシアのノバク・エネルギー相と政府系天然ガス企業ガスプロムのメドベージェフ副最高経営責任者と協議を行い、進展があったと明らかにした。26日にはウクライナを交えた三者協議を開催し、5月中の合意を目指す。
ウクライナのロシアに対する天然ガスの未払い代金は35億ドルに上る。ロシアは代金未払いを理由に、全額前払い方式への移行を要求。ガス料金の大幅値上げに踏み切るとともに、5月末までに代金が支払われなければ供給を制限すると警告している。これに対しウクライナは料金値上げに反発し、新価格に基づく支払いを拒否している。欧州向けのロシア産ガスは主にウクライナを経由することから、ウクライナへのガス供給が制限されれば、欧州諸国にも影響が及ぶ可能性がある。このためEUは供給継続に向け、両国の仲介に当っている。今月2日に行われた最初の三者協議では両国の主張に隔たりが大きく、具体的な成果をあげることができなかった。
エッティンガー委員はロシア側との協議後の記者会見で、「多くの問題で進展があったが、合意には達していない」と述べ、月内の合意を目指し26日にベルリンで三者協議を開催することを明らかにした。また、ウクライナがロシアに未払いのガス代金を支払い、EUの天然ガス供給を確実なものにするため、あらゆる努力を払う姿勢を示した。