2014/6/18

チェコ・スロバキア

チェコで外国資本の利益流出、GDPの8%に

この記事の要約

チェコから外国資本の利益流出が加速している。昨年の利益流出額は3,000億コルナに上り、10年前の2倍に拡大。流出規模は国内総生産(GDP)の8%に相当し、ポーランドの4.7%とスロバキアの2.4%を大きく上回り、欧州で […]

チェコから外国資本の利益流出が加速している。昨年の利益流出額は3,000億コルナに上り、10年前の2倍に拡大。流出規模は国内総生産(GDP)の8%に相当し、ポーランドの4.7%とスロバキアの2.4%を大きく上回り、欧州ではアイルランドとルクセンブルクに次ぐ高い率となった。首相府の資料を入手したチェコ経済紙『ホスポダルスケ・ノヴィニー』(オンライン版)が報じた。

利益流出が顕著なのは銀行業界で、4大銀行のコメルチュニ・バンカ、CSOB、チェスカスポリテルナ(貯蓄銀行)、ウニクレディトを合わせて昨年は300億コルナが流出した。また、不動産業や自動車産業でも利益流出が大きかった。

Chmelar氏によると、利益流出が再投資や雇用拡大のほか賃金にもマイナスの影響を与えている。過去20年間でチェコはEUの成熟国平均賃金との格差をわずか0.1%しか狭められなかったが、利益の国内保留率が高いスロバキアでは11%近く改善したという。政府は安い人件費と投資インセンティブを魅力に外国企業を招致したが、再投資を奨励する努力を怠ったと指摘。OECDなどが高技能の人材の育成に注力するよう求めている。

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