2014/9/24

ロシア

米ブラックストーン、ロシア事業継続を断念

この記事の要約

米投資大手ブラックストーンがロシア事業を継続しないことを決定した。現地コンサルタントを通じて投資機会をうかがっていたが、成果が上がらなかったため、これらコンサルタントとの契約更新を見合わせたという。英『フィナンシャル・タ […]

米投資大手ブラックストーンがロシア事業を継続しないことを決定した。現地コンサルタントを通じて投資機会をうかがっていたが、成果が上がらなかったため、これらコンサルタントとの契約更新を見合わせたという。英『フィナンシャル・タイムズ』紙が21日、消息筋の情報として報じた。

ブラックストーンは3年前からロシア事業の立ち上げを試みていたが、今回の決定で同国市場への参入が事実上失敗したことになる。

ロシアは他の新興諸国に比べて市場外取引の規模が小さいうえ、政府系・地場系機関の勢力が強く、国外企業が参入するのは難しい。また、汚職や政治的介入の懸念、司法制度の複雑さといった要因があり、投資家は投資に慎重だ。さらに、ウクライナ紛争が追い打ちをかけ、欧米諸国からの対ロシア投資はストップしている。

米カーライルは過去2度にわたりロシア市場参入を試みたが、リスクにリターンが見合わないとして撤退した。ゴールドマン・サックスの元役員が設立したDMCパートナーズも今月に入って撤退を決めた。

新興市場プライベート・エクイティ協会(EMPEA)によると、株式市場を除く対ロシア企業投資は今年に入ってからの累計で3,500万ドルにとどまっている。昨年は通期で2億9,500万ドル、2011年は16億ドルに上っていた。