2014/10/29

コーヒーブレイク

大統領の引越し~トルコ

この記事の要約

トルコのエルドアン大統領が29日、新しい官邸に引っ越す。1923年の共和国建国を記念する「共和国の日」に当たり、政府関係者などを招いてお披露目会も開くもようだ。 「アク・サライ(『白い宮殿』の意)」と呼ばれるこの官邸、面 […]

トルコのエルドアン大統領が29日、新しい官邸に引っ越す。1923年の共和国建国を記念する「共和国の日」に当たり、政府関係者などを招いてお披露目会も開くもようだ。

「アク・サライ(『白い宮殿』の意)」と呼ばれるこの官邸、面積21万平方メートル、1,000室を擁し、フランスの大統領官邸のほぼ20倍の大きさという。米国のホワイトハウス(5万5,000平方メートル)や英バッキンガムパレス(7万8,000平方メートル)も到底かなわない。また、防衛対策も万全で、サイバー攻撃や化学兵器も歯が立たないとされる。

すごいのは目で見える部分だけではない。実はこの官邸、自然保護地区に無理やり建てられたのだ。行政最高裁判所が今年3月、撤去を命ずる判決を下したが、エルドアン首相(当時)は「撤去できるものならしてみろ」と豪語。自然保護地区を建築許可地区に書き換えて工事を続けた。工費は推定10億リラ(4億4,400万米ドル)に上る。

ついでながら、当初は首相官邸となるはずだったが、8月の大統領選勝利後、エルドアン大統領はこれを「大統領官邸」とすることを決めたのだった。

トルコ共和国の父、ケマル・アタテュルクがアンカラのチャンカヤ地区に建てた由緒正しい大統領官邸は、エルドアンの引越し後、首相および閣僚のオフィスとして使われるそうだ。