2015/1/21

総合・マクロ

資本規制の必要なし=ロシア中銀副総裁

この記事の要約

昨年、過去最高規模の資本流出を記録したロシアだが、同国中央銀行のクセニア・ユダエヴァ第一副総裁は資本の流れを規制する必要性はないとみている。ロイター通信による20日のインタビューで明らかにしたもので、下半期に限ると流出の […]

昨年、過去最高規模の資本流出を記録したロシアだが、同国中央銀行のクセニア・ユダエヴァ第一副総裁は資本の流れを規制する必要性はないとみている。ロイター通信による20日のインタビューで明らかにしたもので、下半期に限ると流出のペースがそれほど速くなかったことを根拠としている。一方で、懸念材料としては国内銀行の不良債権増加を挙げた。

ロシアの企業・銀行からの資本流出は昨年1,515億米ドルとなり、前年の3倍近くに膨らんだ。また、金融危機の起こった08年の1,336億ドルをも上回った。ただし、ユダエヴァ副総裁によれば、08年は下半期に流出が加速し、そのペースは昨年の下半期よりもずっと速かったという。

ロシアの信用格付けが「投機的」に引き下げられる可能性について副総裁は、「ロシアの対外債務は国内総生産(GDP)の5%に過ぎない。債務全体でみても15%に収まっている。債務不履行(デフォルト)の可能性は事実上ゼロ」と話した。

原油価格の低迷については、「現行相場がバレル当たり50ドル前後であることを踏まえ、中銀が経済見通しの基準とする原油価格を従来の60~80ドルから下方修正することになりそうだ」と述べた。

懸念材料としては、国内銀行の不良債権増加を指摘。銀行の資本増強が大きな課題となるとした。