新興5カ国(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)による開発銀行の設立合意書に、ロシアが他国に先駆けて批准する。シルアノフ財務相が10日、20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)で訪問中のイスタンブールでロイター通信に対し、2月末か3月に批准する予定であることを明らかにした。
国際通貨基金(IMF)や世界銀行の運営で欧米諸国が主導権を握り、世界の経済成長けん引力である新興国の発言権が弱いことに不満を持つBRICS5カ国は昨年7月、独自の開発銀行を設立することで合意した。だが、資金や組織運営に関する各国の見解相違でこれまで進捗が見られない。米国が量的金融緩和を縮小した影響で、BRICS市場から投資マネーが流出していることも影響していると見る向きもある。
BRICS開発銀行は他の新興諸国のインフラプロジェクトへの融資を目的とする。昨年7月の合意によると、拠点を中国の上海に構え、初期設立段階の払込資本金500億米ドルを各国が100億米ドルずつ拠出する。イスタンブールでは開発銀行の委託事項や理事会の役割などについて副財務相レベルで協議したもようだ。