2015/2/25

バルト三国

エア・バルティック、業界再編へ意気込む

この記事の要約

ラトビアの国営航空会社エア・バルティックが、バルト海地域での航空業界の合併・買収を狙っているもようだ。独経済紙『ハンデルスブラット』が先ごろ報じたもので、マーティン・ガウス最高経営責任者(CEO)は「(同地域の)航空業界 […]

ラトビアの国営航空会社エア・バルティックが、バルト海地域での航空業界の合併・買収を狙っているもようだ。独経済紙『ハンデルスブラット』が先ごろ報じたもので、マーティン・ガウス最高経営責任者(CEO)は「(同地域の)航空業界をけん引する」と明言した。

ラトビアのフラッグ・キャリアである同社は格安航空会社(LCC)としても運営している。ガウスCEOがライバルと目するのが同じくLCCのライアンエアー(アイルランド)やエアシャトル(ノルウェー)。企業規模では及ばないものの、冬場にこれらのLCCが運休する路線に燃油代の低いプロペラ機を飛ばすなど、柔軟な機材運用で対抗する。

バルト3国ではリトアニア航空が2010年9月に経営難から運航を停止。現在はエア・バルティックと、スカンジナビア航空(SAS)傘下のエストニアン・エアの2社のみだが、エストニアン・エアは機材数が7機と、同45機(発注済み20機を含む)のエア・バルティックを大きく下回る。

ガウスCEOは「バルト海方面では我々の存在は大きい。あっと言わせるアイデアがある。常に先を見据えて動いている」と述べ、同社主導による航空業界の再編に自信を示した。

■斬新なアイデアで躍進

エア・バルティックは昨年7月に航空会社として世界で初めて仮想通貨「ビットコイン」での決済を受け入れたほか、パイロットが携帯する書類や用具の代わりにタブレット端末の「アイパッド」を支給して機体重量を少しでも軽くするなど、斬新なアイデアで話題を集める。また航空時刻サービスのOAGが世界900の航空会社を対象にした調査でも2014年の定時運航率トップに輝くなど、ブランドイメージの向上にも余念がない。

昨年の利用者数は約300万人で、就航先は欧州全域からアフリカ、中東までの74カ所を数える。2013年には純利益が100万ユーロとなり予定より1年早く黒字転換を果たした。