2015/3/11

総合・マクロ

ロシア、食品禁輸措置の緩和を検討

この記事の要約

ロシアの欧州連合(EU)諸国に対する食品輸入禁止措置をめぐり、ロシア政府の複数の高官は3日、一部の国を対象に禁輸措置を部分的に解除する可能性があることを明らかにした。ブルームバーグによると、アレクセイ・ウリュカエフ経済発 […]

ロシアの欧州連合(EU)諸国に対する食品輸入禁止措置をめぐり、ロシア政府の複数の高官は3日、一部の国を対象に禁輸措置を部分的に解除する可能性があることを明らかにした。ブルームバーグによると、アレクセイ・ウリュカエフ経済発展相がハンガリーとギリシアに対する禁輸措置の緩和に言及したほか、ドミトリー・ペスコフ大統領府報道官はギリシアを念頭に、ロシアの製造業への投資に対する見返りに加工用果物の輸入を再開する用意があると発言。アルカージー・ドヴォルコヴィッチ副首相も乳児用オーガニック食品を禁輸解除品目の候補に挙げた。

禁輸措置緩和に向けた動きはロシア議会にもみられる。先月25日には議員数名が禁輸措置の全面的な撤廃を求める法案を下院に提出。同法案の付属文書では、昨年8月の輸入禁止措置導入後にポーランドからベラルーシ経由で輸入される食料品が大幅に増加した例を挙げ、禁輸措置の実効性は極めて低いと指摘している。

ロシアは昨年8月、ウクライナ紛争をめぐる欧米の対ロ制裁に対し、食料品の輸入を1年間禁止する措置を発動した。その結果、砂糖や穀類の価格が34~40%上昇し、2014年の食料品インフレ率は15.4%に達した。一方EU諸国では、昨年10月にハンガリーのシーヤールト外務貿易相がロシアの輸入禁止措置により1日当たり30万ユーロの損失が出ていると述べるなど影響が懸念されている。一部報道では、セルビア経由でロシアへ輸出する動きも確認されているという。