欧州連合(EU)は、ロシア国営天然ガス企業ガスプロムの商慣行が公正な競争を阻害した疑いがあるとして、22日にも同社に異議告知書を送付する構えだ。米ウォールストリート・ジャーナル紙が20日、関係筋の情報として伝えた。ウクライナ紛争をめぐって冷却化するロシアとの関係がさらに悪化する可能性もある。
欧州委員会はガスプロムに関連し2012年から調査を実施してきた。具体的には、◇一部の取引先にガス再販を禁止◇価格引き下げの条件として、パイプライン建設など他事業における提携を要求◇国際原油価格に連動してガス価格を設定――が不正行為に当たるとみている。
最終的にガスプロムの商慣行が競争法違反と認定された場合、同社は最大で年間総売上高の10%に相当する100億ユーロ前後の制裁金を科される可能性がある。
ガスプロムは欧州需要の約3分の1を供給する。バルト諸国や南東欧では需要のすべてをガスプロムに頼る国もある