2015/4/22

自動車

ルーマニア、自動車が基軸産業に

この記事の要約

ルーマニア自動車製造者連盟(ACAROM)によると、2013年の国内自動車産業の売上高は前年比26%増の160億ユーロに上り、国内総生産(GDP)の11.9%を占めた。ダチア、フォードの自動車メーカーに加え、ボッシュやコ […]

ルーマニア自動車製造者連盟(ACAROM)によると、2013年の国内自動車産業の売上高は前年比26%増の160億ユーロに上り、国内総生産(GDP)の11.9%を占めた。ダチア、フォードの自動車メーカーに加え、ボッシュやコンチネンタル、ダイムラー、ドレクスルマイアー、レオニ、プレーなどの部品メーカーが活発に事業を展開している。

ただ、フォードは需要低迷でクラヨバ工場の減産・減員を実施。ルノー傘下のダチアはこれまでにモロッコやアルジェリアに生産を一部移管するなど、完成車メーカーの勢いは鈍っている。

一方で部品業界は北アフリカの政情不安など、他の低賃金国の事業環境が思わしくないことから、ルーマニア事業を継続して拡大中だ。部品業界の総売上高は13年に116億ユーロを記録した。現在、外国メーカー150社の子会社など600社以上が生産しており、その数は今年も増える見通しだ。

ダイムラーは中部のセベシュで13年から5段変速機を、昨年から7段変速機を製造している。来年からは9段自動変速機が生産品目に加わる。9段変速機の生産に当たっては政府から3,700万ユーロの助成を受けた。

コンチネンタルは6都市で7工場・3研究所を運営する。中部にあるシビウ工場の運転支援システム増産に向けて今年、新工場棟の着工を予定している。

ボッシュは北西部のクルージュ県ジュクで電子・制御部品を生産するほか、研究開発拠点を運営する。同地での追加投資も検討されているもようだ。

ドレクスルマイアーは17日にブラショフ県のコドレア工場で新工場棟2棟を開所したばかり。内装品生産を強化する。このほか、サトゥ・マレとピエシュティに生産拠点を持つ。

ダイムラー、ドレクスルマイアー、ボッシュのほか、オートリブ、ヤザキ、クロムベルク&シューベルト(K&S)なども年内の増員を計画している。

ルーマニアの魅力は賃金・社会保険料負担が小さいことにある。ただ、ワイヤーハーネスの生産では賃金水準が依然として重要な要素だが、機械化が可能な部品ではロボットの導入も進みつつある。キルヒホフの車体工場(フォードBマックス向け)ではABB製のロボットが導入された。

穏やかながらも機械化が進行中で、設備メーカーの注目を集めそうだ。