2015/5/27

ロシア

IMF、ロシア成長予測を上方修正

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は21日、ロシアの国内総生産(GDP)予測を引き上げた。経済危機への対応を評価したもので、15年の成長率をマイナス3.4%とし、前回(4月)のマイナス3.8%から0.4ポイント上方修正。16年もマイ […]

国際通貨基金(IMF)は21日、ロシアの国内総生産(GDP)予測を引き上げた。経済危機への対応を評価したもので、15年の成長率をマイナス3.4%とし、前回(4月)のマイナス3.8%から0.4ポイント上方修正。16年もマイナス1.1%からプラス0.2%へ引き上げた。インフレ率については現在の16%から年内に12.5%まで低下すると予想している。

ロシアは昨年、欧米による制裁や原油価格低下の影響で景気が低迷。通貨ルーブルも下落し、中央銀行(CBR)が再三の利上げを行うなど対応に追われた。IMFは今回、ロシアに調査団を派遣して経済政策の効果を検討。「政府の危機対応が経済の安定化に貢献した」との結論を出した。調査団のアーネスト・ラミレス・リゴ団長は、原油価格の下落や地政学リスクなどの懸念材料は依然として残っているとしつつも、「同国が保有する潤沢な資金でそれらの影響を軽減できる」との見解を示した。

一方、ロシアのシルアノフ財務相は同日の記者会見で、15年GDPの縮小幅が2.5%を超えることは無いと述べ、IMFよりも楽観的な見通しを示した。