2015/6/24

チェコ・スロバキア

チェコ中銀、金融業界の健全性向上と評価

この記事の要約

チェコ中央銀行は16日、国内金融機関を対象に実施したストレステスト(資産査定)の結果をまとめた『金融安定性レポート2014/15年』を発表し、国内銀行業界の健全性はさらに向上しており、景気後退の長期化を想定した最悪のシナ […]

チェコ中央銀行は16日、国内金融機関を対象に実施したストレステスト(資産査定)の結果をまとめた『金融安定性レポート2014/15年』を発表し、国内銀行業界の健全性はさらに向上しており、景気後退の長期化を想定した最悪のシナリオでも自己資本比率基準値である8%を十分超えると評価した。また、現状の公共財政が金融安定性を脅かすことはないとして、今後3年間に追加的資本強化を求めることはないとの見方を示した。

中銀は一方で、欧州の経済成長が腰折れして新たな景気後退に陥り、金融機関の収益性が悪化することを最大のリスクシナリオと見ている。また、低金利の長期化で比較的低所得層でも住宅を購入しやすくなっていることから、住宅ローンの拡大が構造的リスクにつながる可能性を指摘し、数年先を見越したリスク予防策を用意しておく必要があると警告する。

中銀のもうひとつの懸念材料は、顧客預金高が拡大する一方で企業の借入需要が減少する中、金融機関がソブリン債(国債など)で資金運用する傾向が強まっていることだ。中銀は特にソブリン債へのリスク集中を監視し、リスクへの備えが不十分だと判断すれば追加的な資本準備措置を要求するとしている。