2015/7/1

ロシア

ガスプロム、中国向けガスパイプラインに3年間で90億ドルを投資

この記事の要約

ロシア国営ガス会社のガスプロムは、中国向けガスパイプライン「シベリアの力(旧称:東ルート)」の敷設事業に今後3年で4,800億ルーブル(約88億ドル)を投資する計画だ。国営ロシア通信(RIA)が6月25日、アンドレイ・ク […]

ロシア国営ガス会社のガスプロムは、中国向けガスパイプライン「シベリアの力(旧称:東ルート)」の敷設事業に今後3年で4,800億ルーブル(約88億ドル)を投資する計画だ。国営ロシア通信(RIA)が6月25日、アンドレイ・クルグロフ最高財務責任者(CFO)の話として報じた。

シベリアの力は全長4,000キロメートルで、東シベリア産の天然ガスを中国に最大で年380億立方メートル供給する。両国が自国領土内のパイプライン建設を担当することになっており、ロシアは昨年9月、中国は今年6月上旬にそれぞれ着工した。総工費は8,000億ルーブル(約145億ドル)。クルグロフCFOによると、今年中に300億ルーブル、16年と17年にそれぞれ2,000億ルーブル、2,500億ルーブルを投資する。

ロシアは昨年5月、中国との間で30年間の長期ガス供給契約を締結した。ウクライナ問題を受けて欧米との関係が悪化する中、軸足をアジアに移す構えを示し欧州をけん制する狙いがあるとみられる。

RIAによると、ガスプロムは中国でガス貯蔵施設の建設も計画している。同社役員のオレグ・アクシュチン氏はRIAに対し、「地下ガス貯蔵施設を最終需要家の近くに設ける必要がある」と述べた。

■中国側では起工式

「シベリアの力」の中国側では6月29日、モスクワとテレビ中継を結んで起工式が行われた。工事自体は6月初めに着工されており、今回の起工式には中国との緊密さを示したいロシアの狙いがある。メドベージェフ首相はテレビ中継の中で、「両国はエネルギー分野だけでなく、幅広い分野で連携していく」と述べた。(1RUB=2.27JPY)