ロシア中部のウファで8日から開かれていた新興5カ国(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議は9日、政治・経済的関係の強化を柱とする共同宣言を採択した。5カ国が団結して国際的な課題の解決に取り組むとともに、新たに設立する「新開発銀行」の活動を通じてBRICSの影響力を高める姿勢を強調した。
共同宣言では国連での新興国の地位向上を支持することに加え、新開発銀行を通じて、新興国や途上国のインフラ整備などを共同で行うことで加盟国間の協力を深める方針が打ち出された。BRICSは新銀行を世界銀行や国際通貨基金(IMF)に対抗する国際金融機関として位置付けている。
議長国ロシアのプーチン大統領は記者会見で、BRICSの役割は「(米国の一極支配や欧米主導の国際秩序に対する)多極的な世界を実現すること」だと言明。「世界経済の発展や安全保障問題に対して団結して取り組んでいく」と述べた。
■新開発銀、資本金は1000億ドルに
新開発銀行の初代総裁に就任したインド出身のクンダプール・ヴァマーン・カマト氏は9日、新銀行の初期資本は500億ドルで、今後3年以内に1,000億ドルに膨らむ見通しであることを明らかにした。資金は現地および国際通貨市場で調達する計画。最初の融資は来年の4月を予定しているという。