ハンガリー経済省は23日、自動車ローンなど個人の外貨建て債務に関し、国内通貨フォリント建てへの転換を可能にする方針を明らかにした。住宅ローンの例と同じ形をとる予定で、金融機関の負担増大が予想される。
対象となるのは、自動車ローンなどの個人契約。件数は20万件を超え、総額は3億フォリント(約9億7,300万ユーロ)に上る。
ハンガリーでは2008年の金融危機まで、スイスフランなど外貨建てでローンを組むことが普通だった。しかし、金融危機によるフォリント下落後、それらの債務を国内通貨に換算した場合の残高は7割増加した。
外貨建て融資の半数(約25万件)を占めた住宅ローンでは、家を失う人が続出するなど影響が特に深刻だった。このため、政府は救済策を実施。金融機関に対して、債務者に有利な固定相場で債務を換算し、生じた損失を負担することを強制した。
今回の施策はこれと同じ手法で他の個人ローン債務者の救済を図るもので、金融機関はさらなる負担を求められることになる。