2015/8/26

総合・マクロ

ライファイゼン銀、ポーランド事業売却難航

この記事の要約

オーストリア大手銀行ライファイゼン銀の中東欧事業を統括するライファイゼンバンク・インターナショナル(RBI)は19日、ポーランド子会社ポルバンクの売却が難航する懸念があることを明らかにした。RBIは同行を2016年半ばま […]

オーストリア大手銀行ライファイゼン銀の中東欧事業を統括するライファイゼンバンク・インターナショナル(RBI)は19日、ポーランド子会社ポルバンクの売却が難航する懸念があることを明らかにした。RBIは同行を2016年半ばまでに売却する計画だが、顧客に有利な条件でスイスフラン建てローンを自国通貨ズロチ建てに切り替えるというポーランド政府の銀行規定の導入により、売却先探しが困難になるとみている。6月末時点のスイスフラン建て融資残高は32億1,000万ユーロで、これを銀行本体から切り離すことも検討しているという。

RBIは自己資本比率の改善を図るため、ポーランドとスロベニアの子会社を売却するほか、ロシア、ウクライナ、アジア、米国の事業規模縮小を進めている。これらの措置により17年末までに不良資産を260億ユーロ減らし、中核的自己資本比率(ティア1)を現在の10.7%から12%へ引き上げること目指す。

一方、スロベニアでは子会社売却がとん挫し、事業閉鎖の可能性が強まってきた。また、ウクライナ子会社については欧州復興開発銀行(EBRD)との資本参加交渉が最終段階に入っている。EBRDの出資比率は25%程度となるもようだ。

RBIは中東欧15カ国の事業展開を通じて業界大手の地位を確立したものの、昨年は4億9,300万ユーロの赤字に転落した。今年上半期の純利益は前年同期比16.4%減の2億8,800万ユーロ、貸倒引当金は4.3%増の5億9,200万ユーロだった。

COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |