ベラルーシがアフリカ市場での地位強化を狙っている。長期的に大きな経済成長が見込める同地域に今から進出し、地歩を確保する算段だ。外務省対外経済局のキチェフ計画・調整官が8月30日、出席した青年労働者スポーツ大会で明らかにした。
キチェフ計画・調整官は「アフリカ市場は過小評価されているが、今世紀半ばには世界で最も急速な経済成長が見込まれている」と指摘。ベラルーシと進出先の国が互いに利を得るような提携関係を築いていくことが肝要と話した。これに向けた取り組みとして、トラック大手のミンスク自動車工場(MAZ)がエジプトに、農機大手のミンスクトラクター工場(MTZ)がアルジェリアとエジプトに組立拠点を設ける計画を明らかにした。
また、ナイジェリア、南アフリカ、エチオピア、スーダン、ガーナ、モザンビークでの工場設置でも準備が進められているという。
ベラルーシは輸出高が国内総生産(GDP)の60%超と高い比率を占める。昨年は400億ドル弱を輸出し、過去9年間の伸び率は2.3倍にも上る。
一方で貿易高の4割強をロシアが占めているのが現状で、将来的に輸出を拡大し、外国との投資提携プロジェクトを実現するには新市場の開拓が必要となっている。