ロシアのセルゲイ・ドンスコイ天然資源相は9月28日、ロイター通信とのインタビューで、アラブ諸国と石油・ガス資源の開発で提携する意向を明らかにした。欧米の制裁により、同国の石油・ガス関連企業が資金調達や高度な掘削技術の導入が困難となっているためで、アラブ諸国の豊富な資金や先端技術を獲得する狙いがある。
同相は「ロシアは(中国以外の)他の選択肢も探している」と述べ、アジア諸国や制裁に参加していない欧州諸国へのアプローチも検討しているとした。ただしアラブ諸国との具体的なプロジェクトについて言及することは避けた。
一方、これとは別にロシア大統領府は、国営石油会社ロスネフチがアラブ首長国連邦(UAE)と、同国のムバダラ油田および東シベリアの計2つの油田の共同開発に向けた交渉を行っていることを明らかにした。
ロシアの石油・ガス関連企業は深刻な資金不足から新規の開発事業を進めることができずにいる。ドンスコイ天然資源相は、ロシアの今年の石油・ガス探査事業への投資額は前年比で10%減少するとの見通しを示した。