2015/11/25

チェコ・スロバキア

チェコのユーロ導入は2020年以降=中銀総裁

この記事の要約

チェコのシンゲル中銀総裁はこのほど、欧州単一通貨ユーロの導入は早くても2020年以降になるとの予測を示した。2017年秋に選出される次期内閣が時期を決定する見通しであることを受けたもので、バビシュ財務相など現政府の立場と […]

チェコのシンゲル中銀総裁はこのほど、欧州単一通貨ユーロの導入は早くても2020年以降になるとの予測を示した。2017年秋に選出される次期内閣が時期を決定する見通しであることを受けたもので、バビシュ財務相など現政府の立場と一致する。

世論調査によると、ユーロ導入に反対する国民の比率は61%を超える。野党も左派・右派に関わらず、国民投票で是非を問うべきと主張している。しかし、法的には欧州連合(EU)加盟時にユーロ採用を約束したことになっており、国民投票が実施される可能性は小さい。

カロウセク前財務相などからは、導入時期をいま決める必要はないが、導入方針自体を見直すべきではないと警告する声もあがっている。

チェコは多くの点でユーロ圏加盟への条件をクリアしており、ユーロ採用が遅れている原因は政治意思の弱さにある。導入時期が決まった後も、欧州為替相場メカニズム(ERM2)に最低2年間参加するなどの要件があり、手続きが完了するまでには数年かかる。

通貨コルナの流通量は初めて5,000億コルナ(貨幣:20億枚超)を上回ったが、現役貨幣からの引退時期はまだ先のこととなりそうだ。(1CZK=4.82JPY)(東欧経済ニュース4月29日号「チェコ、20年までにユーロ導入日程を決定」を参照)