2019/3/6

自動車

VWの東欧新工場、セルビアに設置か

この記事の要約

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が東欧に新設を計画している工場の立地が、セルビアに決まったもようだ。政府寄りの現地紙『ノボスチ』が4日、消息筋の情報を基に報じた。中部シュマディア郡が設置先とされていることから、伊同 […]

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が東欧に新設を計画している工場の立地が、セルビアに決まったもようだ。政府寄りの現地紙『ノボスチ』が4日、消息筋の情報を基に報じた。中部シュマディア郡が設置先とされていることから、伊同業フィアットのクラグイエヴァツ工場をVWが買収するとの憶測も浮上している。現地タンユグ通信の取材に対しVWは、「正式決定はこれから」として肯定も否定もしていない。立地発表は5月の予定だ。

『ノボスチ』によると、VWは新工場整備に14億ユーロを投じ、年30万台の生産能力を整備する。2023年に稼働し、VW、シュコダ、セアトの計5モデルを同地で製造する。従業員は5,000人に上る見通し。

セルビア経済が安定成長していることや、セルビア・ドイツ政府間の友好関係、主要部品メーカーが進出済みであることが招致に有利に働いた。欧州連合(EU)に未加盟のセルビアが、加盟国より自由に政府助成を実施できることが力になった可能性もある。また、フィアット・クラグイエヴァツ工場の稼働率が落ちているため、VWが同工場買収を前提にセルビア進出を決めたのではという憶測も出ている。

VW工場の立地候補としては、セルビアのほか、ルーマニア、ブルガリア、トルコなどの名が挙がっていた。しかし、ルーマニアは高速道路網の未整備で賃金の安い東部への交通の便が悪く、トルコはEUとの緊張関係が続いていることが不利とみられていた。

ブルガリアはEU加盟国で政情も比較的安定しており、ドイツとの経済関係が強いことから最有力候補とみられていた。