2021/10/13

自動車

独VWの東欧セル工場、立地決定は来年上半期

この記事の要約

●立地候補はハンガリー、ポーランド、スロバキア、チェコ●チェコではシュコダ自を介してeモビリティ振興で協力欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は11日、東欧に設置する電動車(EV)向け二次電池セルの工場立地を、 […]

●立地候補はハンガリー、ポーランド、スロバキア、チェコ

●チェコではシュコダ自を介してeモビリティ振興で協力

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は11日、東欧に設置する電動車(EV)向け二次電池セルの工場立地を、来年上半期中に決定すると発表した。欧州6カ所で整備を計画する工場のうちの一つで、2027年の稼働を予定する。候補地としてはハンガリー、ポーランド、スロバキア、チェコが挙がっている。

VWのヘルベルト・ディース社長とトマス・シュマル技術取締役およびVWグループのシュコダ自動車のトマス・シェーファー社長は11日、候補国の一つであるチェコでハヴリチェク通産・運輸相と会談し、eモビリティに関し意見を交換した。VWはセル工場の立地決定における重要な判断基準として、◇経済的環境◇eモビリティ政策◇助成制度――などを挙げているが、シュマル取締役はチェコの長所として、◇エネルギー価格、労働コストの安さ◇VWグループの他の東欧拠点への交通の便が良い◇リチウム埋蔵量が欧州最大――に触れた。そのうえで、政府が腰を据えてeモビリティへの転換を進めていくことが肝要だと強調した。具体的には◇再生可能エネルギーへの転換◇充電インフラの整備◇未来を担う技術に対する包括的支援――を挙げた。

会談を機に、チェコ政府および道路・鉄道局、国営電力CEZ、シュコダ自は基本合意書を交わし、25年までに国内数千カ所で充電インフラを整備する目標に向けて協力していくことを確認した。

VWは30年までに欧州の6カ所に大規模なセル工場を設置し、合計240ギガワット時(GWh)の生産能力を整備する方針を明らかにしている。