2022/6/22

総合・マクロ

三海洋イニシアチブの投資基金、ブルガス港運営企業に資本参加

この記事の要約

●「相当数の株式」を買収、長期的な視野で資金を投入する方針●ブルガス港はEU域内の港としてボスポラス海峡に最も近い中東欧の欧州連合(EU)加盟国が参加する三海洋イニシアチブ(3SI)の投資基金「3SIIF」は20日、ブル […]

●「相当数の株式」を買収、長期的な視野で資金を投入する方針

●ブルガス港はEU域内の港としてボスポラス海峡に最も近い

中東欧の欧州連合(EU)加盟国が参加する三海洋イニシアチブ(3SI)の投資基金「3SIIF」は20日、ブルガリアのブルガス港を運営するBMFポート・ブルガスの「相当数の株式」を買収したと発表した。3SIIFがブルガリア及び港湾業界に投資するのはこれが初めて。取引相手である現地の投資会社アドバンス・プロパティーズが引き続き過半数株を保持する。取引額は未公表。成立にはブルガリア当局の許可が必要となる。

BMFポートはブルガス港の東第2ターミナルと西ターミナルを運営する民間企業で、長期事業免許2件を取得している。ブルガス港は欧州連合(EU)域内の港としてボスポラス海峡に最も近く、取扱貨物量が2016年から20年までに75%の急成長をとげた。昨年の取扱量は約700万トンに上った。ソフィアおよびプロブディフと道路・鉄道で結ばれている。

3SIIFは長期的な視野でブルガス港の能力拡大に資金を投入する方針だ。◇係留施設の新設・拡張◇新しいタイプの積荷への対応能力――などを計画している。

15年に設立された3SIは中東欧のEU諸国の非公式な集合体で、政治・経済協力、エネルギー政策における提携強化、国境を超えたデジタル通信・エネルギー・運輸インフラの整備を目的とする。バルト海、アドリア海、黒海の間にある12カ国が加盟するほか、米国とドイツもパートナーとして参加している。

3SIIFは19年の開設以来、ポーランド、バルト3国、ルーマニアのインフラ・再生可能エネルギー事業に投資してきた。

なお、3SIIFは20日、最大3億米ドルの資金受け入れに向けた契約要項で米国際開発金融公社(DFC)と合意した。資金はエネルギー安全保障、エネルギー調達多様化、3SI地域のコネクティビティ改善に振り向けられる予定だ。