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2025/5/26

東欧経済ニュース速報

オルレンが英スタートアップに出資、高品質ポリマーのリサイクル需要見据え

ポーランドの石油・エネルギー大手オルレンは26日、傘下のベンチャーキャピタル (VC)ファンド、オルレンVCを通じ、プラスチックリサイクル技術の英スタート アップ企業ReVentasに出資したと発表した。高品質なリサイクル原料の需要を取り 込む狙い。ReVentasの特許技術を用いてポリマーのリサイクル率を引き上げ、二次 原料として欧州の産業界に広く提供していく。取引額は明らかにしていない。 ReVentasはプラスチック廃棄物を高品質なポリマーに変換し、消費者向け包装材な ど要求水準の高い用途に提供している。リサイクルプロセスは低温・低圧で稼働す るため省エネ性に優れ、二酸化炭素(CO2)排出量も削減できる。今後産業規模で 導入されれば、高純度のリサイクルプラスチックの市場供給量を大幅に増やせる可 能性がある。 同社の技術は、世界の年間プラスチック生産量3億9,000万トンのほぼ半数を占める ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)を対象としている。PEとPPを構成する ポリマーを溶解し、充填剤、顔料、臭気などの汚染物質を除去してクリーンで均質 なポリマーに再生する。これら再生PEやPPは包装材、自動車部品のほか広範な消費 財の製造に利用できる。 オルレンによると、ポリマーの世界全体のリサイクル率は現在、わずか9%にとど まる。欧州連合(EU)では2030年までに包装材の10%をリサイクル材で構成するこ とが義務付けられるが、高品質のリサイクル原料が不足している。オルレンはこの 状況を商機とみてReVentasへの出資を決めた。