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2025/4/29

東欧経済ニュース速報

GDP比課税額、チェコが中欧で最低

国内総生産(GDP)に対する税負担額の比率をみると、チェコが15%と、欧州のな かで3番目に小さいことが分かった。経済情報サイト「E15.cz」が世界銀行の最新 データを基に、さまざまな所得額・税率を総合して算出した結果、判明した。1位 はスイス(9.1%)、2位はドイツ(11%)。4位以下はスペイン(15%)、ラトビ ア(16.8%)、北マケドニア(17.4%)、ウクライナ(17.7%)、アルバニア (17.8%)、ポーランド(18.1%)と続いた。 チェコの所得税率は被用者、自営業者ともに15〜23%。他の欧州連合(EU)加盟国 に比べると最高税率の23%は非常に低い。例えば、スロベニアは約50%、ベルギー は53%強、オーストリアは約55%にも上る。チェコでは3万840コルナ(約1,230 ユーロ)を税額から差し引く基礎控除があることも課税額を押し下げている。 一方、2024年には固定資産税が前年比で1.8倍に引き上げられた。例えば住居に対 しては、1平方メートルあたり2コルナだったのが、3.5コルナに上昇した。固定資 産税は基本税率に各自治体が定める賦課率(0.5〜5倍)を乗じて算出される。 今年から、法人税率は企業の収入に関わらず一律21%に引き上げられた。年間売上 高が7億5,000万ユーロを超える大規模国際企業は、EUのグローバルな税源浸食防止 ルール(GloBEルール)に基づき最低税率15%が加算される。 チェコの法人税率は他の東欧諸国に比べると高率だ。例えば、クロアチアは18%、 ルーマニアは16%、ブルガリアは10%となっている。