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2025/4/30

東欧経済ニュース速報

シュコダ自、出荷前ディーゼル車と物流車両の燃料をHVOに切り替え

独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社シュコダ自動車は22日、チェコで製造 したディーゼル車の出荷前給油に高品質の水素化処理植物油(HVO)を採用すると 発表した。脱炭素化への取り組みの一環だ。社内の物流用車両も燃料をHVOに切り 替える。VWグループでHVOを採用するのはシュコダが初めて。 HVOは使用済み植物油を水素化処理して得られる。ディーゼル油に置き換えて利用 できる。バイオディーゼルと異なり、廃棄物となる油脂を原料とする。一般の ディーゼル油に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量(燃料採掘から車両走行までの 「well-to-wheel」排出量)を最大90%削減できる。HVOはチェコ国営の石油製品販 売企業チェプロから調達する。 HVOは透明で、実質的に無臭だ。加えて、セタン価が一般のディーゼル油の51に比 べ70と高く、着火性が高い。このため、粒子状物質など汚染物質の排出が抑えられ る。硫黄、芳香族炭化水素、高沸点炭化水素を含まないこともあり、有害物質の排 出を減らし、ディーゼルエンジンの排ガス浄化装置(DPF)の再生頻度を下げるこ とができる。 2022年以降に販売されたシュコダ・モデルはすべて、HVOに対応している。