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2025/3/12

東欧経済ニュース速報

韓国で欧州列車制御システムを導入、韓国・ポーランドの企業が提携

ポーランドの鉄道技術グループ、コンブド(Kombud)が子会社のレール・ミル (Rail-Mil)・コンピュータースを通じ、鉄道・地下鉄の制御システム分野で韓国 の同業Sトラフィックと戦略提携する。韓国に欧州列車制御システム(ETCS)を導 入するのが狙い。韓国の鉄道は全長が4,000キロを超え、ソウル首都圏だけで1,300 キロに上る。 レール・ミルは、ETCS実装を手がける数少ない独立系企業の一つ。ビーコンや沿線 電気制御ユニット(LEU)といった自前の部品が相互運用性の認証を受けている。 同社によると、非欧州諸国では、オープンスタンダードである欧州鉄道システムが 人気。導入に当たり、ゼロから開発する必要がないためだ。レール・ミルのエンジ ニアが行うシステムの現地化は、世界的な大手企業に負けないものがあるという。 Sトラフィック側は、今回の提携を通じて韓国市場における存在感を強め、鉄道・ 地下鉄インフラ管理に関連するさまざまなニーズに適切な形で対応できるようにな るとみている。特に、韓国の自動列車保安(ATP)プロジェクトの成功に貢献する ことを狙う。また、鉄道システムにおける世界的大手に成長する事業目標を達成す るためにも、国際提携の幅を広げる、レール・ミルとの提携が寄与するとみる。 コンブドは34年前に創業。これまでに、鉄道・地下鉄駅向けシステムを300件、踏 切保安システムを2,000件以上、導入した。同社のコンピュータシステムは、中央 幹線(CMK)、ワルシャワ鉄道網の駅、国鉄65号線、およびワルシャワ地下鉄2路線 の運行を制御している。 従業員550人強のうち330人がエンジニアで、最新のソリューションの開発・特許取 得・導入に取り組む。これらのソリューションは、欧州のERTMS(欧州鉄道交通管 理システム)およびETCS基準に準拠する。 レール・ミルは、列車の自動運行を可能にするrmCBTCシステムや、ユーロバリス、 プログラマー、LEUエンコーダーなどの電子部品の製造を手がける。 コンブド社ホームページ https://kombudgroup.com/ レール・ミル社ホームページ https://rail-mil.eu/en/