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2010/1/27

経済産業情報

ドイツ人の通院は年平均18回

この記事の要約

公的健保組合のBarmer/GEKがこのほど発表した調査報告によると、公的健保加入者が2008年に開業医(歯科医は除く)にかかった回数は平均18.1回で、07年の17.7回から一段と増加した。国際平均のほぼ2倍の頻度で、 […]

公的健保組合のBarmer/GEKがこのほど発表した調査報告によると、公的健保加入者が2008年に開業医(歯科医は除く)にかかった回数は平均18.1回で、07年の17.7回から一段と増加した。国際平均のほぼ2倍の頻度で、世界で最も多いグループに入るという。一方、医師は1日(平日)平均45人の患者を診なければならず、診察時間の平均は8分と短い。

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診断結果で最も多い疾患は腰痛で26%(人口比)。高血圧と目の疾患も20%を超えた。ドイツ人全体でみると、約半数が筋肉や骨の痛みで医者にかかった。うつ病と糖尿病による通院は06年比でそれぞれ9.1%、5%増加したという。

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医者に行く年間回数の国際比較をみると、スウェーデンは年3回弱にとどまった。ベルギー、デンマーク、フランス、オーストリア、ポーランドも約7回とドイツの半分以下に過ぎず、高齢化の進んだ日本も13.6回だった。Barmer/GEKのシュレンカー副社長は、ドイツ人の通院回数を減らすには患者が最初に出向く「かかりつけ医」が1回当たりの診察時間と受診の頻度を適切に管理する必要があるとしている。

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ドイツでは医療保険制度改革の一環で、2004年に公的健保の加入者が四半期ごとに診療費の一部を自己負担する制度が導入された。患者は各四半期の最初に行った医者で10ユーロを支払わなければならない。医者通いを減らし医療費を抑えることが目的だったが、今回の調査結果を見る限り、効果は上がっていないようだ。

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現連立政権は同制度の見直しを計画している。ただ、全面廃止にすると、医療機関の収入は年約20億ユーロ減少する見通しのため、何らかの代替措置が必要となりそうだ。

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