フラウンホーファー物理測定技術研究所(IPM)などの研究チームは、医薬品の真贋を簡単かつ低コストで確認できる認証システムを開発した。パッケージによって紙や印刷の状態が微妙に異なることを利用する。消費者はパッケージのバーコード部分を携帯カメラで取り込み、データベースにアクセスするだけで本物かどうか確認できる。
\IPMとマンハイム大学の研究チームは、紙の繊維配向(紙繊維の分布状態)や印刷品質(インクのにじみ、色具合など)がパッケージごとにわずかに異なり、人間でいえば指紋の役割を果たすことに着目。これらの違いを認識できるバーコードや解読ソフトなどのシステム開発に取り組んだ。
\同システムではパッケージが印刷された段階で認証用バーコードをデジタルスキャンしてデータベースに登録する。購入した薬が本物か確認したい消費者は、パッケージのバーコード部分を携帯のデジタルカメラで撮影し、オンラインデータベースにアクセスするだけでよく、専用スキャナーなどは必要ない。データベースのシステムが両バーコードを比較し、同一であると認識されると「本物」を示すメッセージが携帯の画面に現れる。オリジナルと異なる場合は偽物であることを示すメッセージが表示される。
\IPMの研究者は、今回の研究の最大の成果は、特殊印刷技術を使用しない通常のオフセット印刷でも高い精度の認証が可能であることを示せたことだと話す。研究は連邦教育研究省(BMBF)が助成する偽造防止印刷技術開発プロジェクト「O-Pur」の一環として行われた。
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