昨年倒産した独百貨店Karstadt（エッセン）を投資家のニコラス・ベルグラン氏を中心とするコンソーシアムに売却する契約が8日、調印された。Karstadtの経営再建で従業員から新たな譲歩を一切要求しないことが高く評価され、前日の債権者集会でゴーサインが出ていた。ただ、同コンソーシアムはKarstadtのテナント料引き下げを賃貸主のHighstreetに要求しており、Highstreetとベルグラン氏らの交渉が決裂すれば、同デパートの売却契約は破棄され、Karstadtは店舗単位で切り売りされる公算が高くなる。
\Karstadtの売却は競売入札で決定された。応札していたのはベルグラン氏と衣料品チェーンBCBG Max Azria Groupからなるコンソーシアムのほか、独・北欧系の投資会社TritonとHighstreetで、このうちTritonとHighstreetは手当削減などの形で再建に協力している従業員にさらなる協力を求める意向を示したため、従業員代表や労組が難色を示していた。
\メディア報道によると、ベルグラン氏らの買収提示額は7,000万ユーロ。買収後は3年間で計2億4,000万ユーロ以上をKarstadtに投じると確約したもようだ。
\今後の交渉相手となるHighsteetはKarstadt再建計画の一環で、テナント料を3年間で計1億6,000万ユーロ引き下げることを承認済み。広報担当者がメディアに明らかにしたところによると、「さらに5年間にわたって総額2億3,000万ユーロを追加する準備がある」としている。
\ベルグラン氏はパリで活躍したドイツ系画商ハインツ・ベルグラン氏の息子。
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