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2010/7/7

経済産業情報

匿名履歴書、外資系含む5社が試験導入へ

この記事の要約

匿名履歴書の導入に向けたプロジェクトが間もなくドイツでスタートする。同プロジェクトを運営する連邦反差別局(ADS)のクリスティーナ・リュダース局長がこのほど『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。同履歴書を試 […]

匿名履歴書の導入に向けたプロジェクトが間もなくドイツでスタートする。同プロジェクトを運営する連邦反差別局(ADS)のクリスティーナ・リュダース局長がこのほど『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。同履歴書を試験導入するのは外資系のP&G、ロレアルとDAX(ドイツ株価指数)採用の独大手企業3社の計5社。独3社の名前は8月に公表される。

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匿名履歴書とは名前や住所、誕生日、出身地、家族構成など差別の原因になる内容を一切、記載しない履歴書で、写真も添付されない。求職者が就職活動の際に出身地や年齢による差別を受けるケースを防止または削減できると期待されており、移民の多いフランスや米国では多くの企業が採用している。

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リュダース局長によると、就職活動で企業に例えばトルコ系の名字を明かした場合、面接に呼ばれる確率は大幅に低下する。このため、匿名履歴書の導入で外国系市民の就職チャンスが広がることが期待できるという。

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4年前に設立されたADSには、「差別を受けた」との訴えや相談がこれまでに約1万件寄せられた。障害や性別による差別がそれぞれ約25%を占めており、年齢や出身地による差別がこれに続く。トルコ人の若い女性などは年齢、出身地、性別といった複合差別を受けるケースもある。また、アフリカ系やアラブ系の若者がディスコへの入店を拒否されるといったケースも多い。

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