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2010/7/28

経済産業情報

機内食がおいしく、フライト中の味覚変化を解明

この記事の要約

機内食がおいしく生まれ変わる可能性が出てきた。フラウンホーファー建築物理学研究所が機内のシミュレーション装置を使って実施した試験で、地上より乾燥して気圧が低い機内では味覚が変わることが証明されたためだ。この成果を活用すれ […]

機内食がおいしく生まれ変わる可能性が出てきた。フラウンホーファー建築物理学研究所が機内のシミュレーション装置を使って実施した試験で、地上より乾燥して気圧が低い機内では味覚が変わることが証明されたためだ。この成果を活用すれば、航空会社は機内食の味を改善できるという。20日付『ヴェルト』紙が報じた。

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独大手航空会社ルフトハンザで機内食サービスを担当するベルント・ヒルデンブラント責任者によると、機内では地上に比べて◇コーヒーが苦く感じる◇ソースが酸っぱく感じる◇甘みや塩気が薄く感じる――と以前から言われてきた。機内では香辛料が好まれる傾向もあり、塩とコショウのきいたトマトジュースはリンゴジュースに匹敵する人気の飲み物だという。

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ルフトハンザは、機内での味覚の変化が証明されたことを受け、機内食の塩味とスパイシーさをこれまでよりも強化。また、コーヒー豆はマイルドな種類に、白ワインは酸味の少ないものに、赤ワインは甘みが強いものに変えた。

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水分を吸うことから「ゴムのようだ」「ぶよぶよしている」などと批判されるパンに関しては、TTZ経済研究所(ブレーマーハーフェン)の食品技術者であるクラウス・レッシェ氏がパン特有のカリカリ感を出すために、パン生地を湿度100%の蒸気の中で膨らませ、その後に真空で冷ます方法を開発した。この方法ではパンの外皮は水分を蒸発させるため、パン表面の堅さを維持できるという。ルフトハンザはこれに関心を示しており、研究開発の進展を見守る方針だ。

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