商品テスト機関Stiftung Warentestの金融商品専門誌『Finanztest』は20日、全国の銀行窓口相談をテストした結果を発表し、顧客相談サービスの質が昨年よりもさらに悪化したと批判した。調査は3、4月に計21の銀行(民間大手銀行6行、貯蓄銀行9行、信用組合6行)に覆面調査員が顧客として出向く形で実施。計146件の相談を持ちかけた。結果は21行のうちヒポ・フェラインス銀行やポストバンク、Targobank(旧シティバンク)などの大手民間行を含む6行が「不可」の判定で、「良」はハノーバー、ハンブルク、ケルンの貯蓄銀行3行だけだった。「優」は1行もない。
\覆面調査員は銀行窓口で「3万5,000ユーロを10年間預け、元本は維持したい」と相談した。「元本の大半を安全な金融商品に預け、一部を高利回りが期待できるリスクの高い商品に投資する」というのが模範的なアドバイスだが、Targobankの行員7人のうち5人はこの条件を満たす投資方法はないと回答。ドイツ銀行では手数料の高い住宅貯蓄を勧める行員もいた。リスクの高い複雑な商品を勧めるケースも多かったという。また、行員の3分の1がアドバイスの前提となる顧客の収入や資産状況を質問しなかった。
\今回のテストで明らかになった最大の問題は、1月に導入された新規定の順守状況。今年から証券投資に関する相談を行った行員はその内容を文書に記録し、相談後に顧客に渡すことが義務づけられている。テストでは行員の半数がこの義務を守らず、顧客が文書を求めて拒否されるケースもあった。顧客に文書への著名を強要する行員もいたという。
\新規定は顧客が複数の銀行の記録文書を比較し最良の金融商品を選べるようにすることを目的としている。勧められた商品をめぐり銀行との係争に発展した際には証拠にもなる。
\アイグナー連邦消費者保護相は新規定が順守されていないことは問題だとし、連邦金融監督庁(BaFin)に監督強化を求めた。銀行側も改善の余地があることを認めている。
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