電機大手の独Siemens(ミュンヘン)が7月29日発表した2010年4-6月期(第3四半期)の新規受注高は、前年同期比22%増の208億7,100万ユーロと大幅に拡大した。新規受注増となったのは経済危機の発生後初めて。ユーロ安のほか、新興諸国を中心とする世界景気の回復が追い風になっており、同社のペーター・レッシャー社長は「再び成長軌道に乗った」との見方を示した。6月末時点の受注残高は過去最高の890億ユーロに達している。
\中核3部門のなかで新規受注の伸びが最も大きかったのは「産業」で、前年同期比33%増の88億500万ユーロを記録した。「エネルギー」と「ヘルスケア」もそれぞれ18%増の80億6,100万ユーロ、18%増の32億6,000万ユーロと2ケタ台の伸びを確保している。エネルギー部門の属する再生可能エネルギー事業はSiemensの計14事業のうち受注額が最も大きく、26%増の22億7,100万ユーロに上った。
\4-6月期の売上高は4%増の191億1,700万ユーロ。主力3部門は5%増の183億3,400万ユーロで、内訳はヘルスケアが10%増の31億5,200万ユーロ、産業が7%増の87億2,000万ユーロ、エネルギーが横ばいの64億6,200万ユーロだった。
\営業利益は40%増の23億3,100万ユーロとなり、過去最高を更新した。3部門すべてが増益を確保しており、特にヘルスケア(87%増の5億600万ユーロ)と産業(69%増の9億ユーロ)は伸び率が大きかった。エネルギーは7%増の9億2,500万ユーロ。Siemensの最終利益は9%増の14億3,500万ユーロだった。
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