7月24日にサウジアラビアのリヤド空港で墜落したルフトハンザの貨物機について、安全性の問題が以前から指摘されていたことが分かった。2日付『南ドイツ新聞』が報じた。
\事故機はマクドネル・ダグラス(現ボーイング)製の「MD-11」で、滑走路を超えて周辺の砂地に不時着。パイロットと乗員は炎上前に脱出できたものの、機体は大破・炎上した。サウジアラビアの航空監督局は30日、タイヤが滑走路に接触した際に破損したことが事故の原因だとする調査結果を発表した。
\MD-11は軽量化と燃費向上を狙って、水平尾翼の面積が小さく設計されている。このため、着陸走行時の速度は時速300キロメートルと他の機種より約60キロも速く、航空関係者の間では以前から「着陸時のコントロールが難しい」と指摘されていた。今回の事故調査でもタイヤが地上に着くまでは何の異変もなく、警報装置も作動しなかったことが分かっており、着陸時の操縦の難しさが裏付けられた格好だ。ルフトハンザのMD-11は昨年11月にもメキシコシティでの着陸に失敗して破損。他の航空会社では同機種の事故で死者も出ている。
\MD-11の生産は2000年に終了したが、ルフトハンザは現在、貨物機として18機を運航している。今回の事故を受け、新機種への買い替えを要求するパイロットなどの声が高まる可能性がある。ただ、航空機は発注から納入までに長い時間を要するため、しばらくはMD-11の運行が続く見通しだ。
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