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2010/8/25

総合 - ドイツ経済ニュース

第2四半期GDPが急成長、実質2.2%増加

この記事の要約

連邦統計局(Destatis)が13日発表した2010年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)は物価、季節要因、営業日数調整後の実質で前期比2.2%増(速報値)となり、ドイツ統一後最大の伸びを記録した。これまでに引 […]

連邦統計局(Destatis)が13日発表した2010年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)は物価、季節要因、営業日数調整後の実質で前期比2.2%増(速報値)となり、ドイツ統一後最大の伸びを記録した。これまでに引き続き輸出が好調だったほか、景気回復の波が内需にも明確に波及。エコノミストの事前予測を大きく上回る成長となった。統計局は第2四半期GDP統計の発表のなかで、過年度の成長率の数値を数多く修正し、今年第1四半期についても従来の0.2%増から0.5%増へと引き上げた。(グラフ1、表1を参照)

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Destatisが24日に発表した第2四半期GDP統計詳報によると、ドイツ経済のけん引車である輸出は前期比8.2%増となり、増加幅は前の期の1~3月(3.1%)を大きく凌駕した。世界経済の回復やユーロ安を追い風に需要が急速に拡大。中国など新興諸国向けが特に好調だった。同期の輸入も6.7%増と大きく、GDP成長率2.2%に対する外需(輸出-輸入)の寄与度は0.8ポイントに達した(グラフ2を参照)。

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内需を最も強く押し上げたのは企業投資で、建設投資は5.2%、自動車・機械などの設備投資も4.4%増えた。固定資本投資全体では4.7%の伸びを記録している。建設投資が大幅に増えた背景には、第1四半期の建設投資が冬の寒波で0.7%減少していたという事情もある。

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個人消費も0.6%増加し、4四半期ぶりに拡大へと転じた。企業活動の活発化を背景に雇用が上向いていることが大きい。ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は23日、今年の出業者数が平均320万人となり、前年の342万人から20万人以上、減少するとの予測を発表した。

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ドイツのGDP成長率はユーロ圏と欧州連合(EU)の平均成長率(ともに1.0%)を大幅に上回った。成長率がドイツを超えたのは東欧の小国リトアニア(2.9%)のみで、ドイツを除く主要国は英国の1.1%、フランスが0.6%、イタリアが0.4%、スペインが0.2%にとどまった。

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第2四半期のGDP統計を受け、DIHKは2010年の独成長率予測を従来の2.3%から3.4%へと引き上げた。独連邦銀行(中央銀行)も同1.9%から3%へと上方修正している。

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ドイツ経済の成長は今後も続くとの見方が強い。ただ、成長スピードの鈍化は避けられないもよう。最大の足かせ要因は世界経済の減速で、政府経済諮問委員会(5賢人委員会)のヴォフルガング・フランツ委員長はマスコミインタビューで、米国の高失業率と不動産市場の不安定さに注意を促した。中国をはじめとする新興国も経済減速が見込まれており、ドイツ経済は内需が拡大しても外需の落ち込みを相殺できないという。

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Ifo経済研究所が18日発表した2010年第3四半期の世界景況感指数は7四半期ぶりに悪化した。現状判断は改善が続いているものの、今後6カ月の見通しを示す指数は悪化。特に北米とアジアで減速感が強まった。

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