塗装設備大手の独Duerr(ビーティヒハイム・ビッシンゲン)が格付けを取得せずに社債を発行する計画だ。同社のラルフ・ホイヴィング財務担当取締役への取材をもとに23日付『シュツットガルター・ツァイトゥング』紙が報じた。
\市場資金を調達する企業は通常、Standard & Poor’s(S&P)、Moody’sなどの大手格付け機関に自社の評価を依頼する。安心して投資できる対象であることを証明する効果が得られるためだ。格付けがないと投資家の信用を得にくい。
\それにもかかわらずDuerrは9月半ばに実施予定の社債発行を、格付けを取得せずに行う。ホイヴィング取締役はこれについて「わが社はブランドの知名度が高く、投資家は(格付けがなくても適切な投資対象であることを)判断できる」との見解を示した。格付けの取得に必要な手間とコストを省く狙いがある。
\同紙によると、格付けなしに市場資金を調達する企業は昨年から増えている。金融危機で格付けの信頼感が低下したことが背景にあり、2009年1月以降にドイツで発行された社債890億ユーロのうち64億ユーロが該当するという。Adidas(スポーツ用品)、Otto(通販)、Celesio(医薬品販売)はそうした手法で資金を調達した。
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