ドイツ人投資家は安全志向が強く、投資先は国内に集中している――。金融投資会社Schrodersの依頼を受け市場調査大手のGfKが実施したアンケート調査でこんな実態が明らかになった。リスクを冒す用意がある投資家はわずか7%で、79%は安全を最優先している。
\株式や証券、不動産への投資経験がある国内の1,040人を対象とし同調査で、今年の投資先(複数回答)としてドイツを挙げた人は79%に上ったのに対し、アジアや南米、ロシアと回答したのは1~3%にとどまった。ドイツ以外の欧州への投資は30%だった。
\ドイツ人投資家が南米や中国への投資をためらうのは「国内や欧州以外は投資リスクが高い」と考えているため。だが、昨年を例にとれば、インド、中国などの新興国や金融危機が発生した米国の株式に投資した方が国内への投資よりもリスクが少なく利益は大きかった。
\また、「南米はロシアやアジアよりもリスクが高い」と考える投資家も多いが、ブラジル経済は昨年、経済危機の影響が小さく堅調を保った。Schrodersのアナリストはこうした事情を踏まえ、「ドイツの投資家にはリスク分散を教える金融アドバイザーが必要」と指摘している。
\調査ではまた、「2年以内にドイツ国内に投資する」との回答が72%と多かった一方で、「中国には投資しない」も79%に達した。そのうち47%は「中国は経済大国になる」と予想しており、リスクを極端に恐れるドイツ人の矛盾した心理が顕著に表れている。
\今後のリスク要因に関しては世界的な景気後退(33%)とインフレ(33%)を挙げる回答者が最も多かった。「ユーロ圏の崩壊」が20%でこれに続く。
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