ドイツのろうそくメーカーが原料であるパラフィンの価格上昇に苦しんでいる。製造コストのほぼ半分を占めるパラフィンの価格は昨年8月から今年8月までに30~40%上昇。原料業者と流通業者の板ばさみにあうメーカーが価格上昇分を販売価格に転嫁することは難しく、昨年のような増収は期待できないという。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が8月30日付けで報じた。
\シュツットガルトにある欧州ろうそく協会(ASBL)によると、独・欧州メーカーのドイツ市場における昨年の売上高は、前年比6.4%増の4億2,300万ユーロに拡大した。経済危機の影響でパラフィン価格が2008年8月から昨年8月の1年間で25%下落したほか、欧州連合(EU)が昨年5月に、中国産のろうそくに反ダンピング措置を発動したことが追い風となった。同措置の発動前は輸入ろうそくの9割が中国製で、欧州市場の3分の1を占めていた。
\2003年に13万2,600トンだったドイツ国内のろうそく生産量は輸入品に押され、2008年には11万1,000トンまで減少していたが、昨年は再び13万トンに増加。一方、輸入量は4.6%減の14万3,000トンに縮小し、国内消費量に占める輸入割合は前年の79%から67%へと後退した。
\ろうそく販売はクリスマスが近づく晩秋から冬にかけて本格化する。メーカーは売上高の3分の2をこの時期に確保する。今年のろうそくのトレンド色は緑、アイボリー、茶色、ベージュ。香り付きのろうそくも相変わらず人気で、ミント、ラベンダー、バニラが売れ筋という。
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