印刷機械大手の独Manroland(オッフェンバッハ)は17日、新たな事業再編計画を発表した。3工場の事業分担を改め、技術サービス部門も新設するほか、人員削減の規模を従来計画より500人拡大するという内容。競合企業との合併は行わないとしており、同社との合併に意欲を示していた同業Koenig & Bauer(KBA)は拒否回答を受けた格好だ。
\同社はオッフェンバッハ、アウグスブルク、プラオエンの3カ所に工場を持つ。今後はアウグスブルク工場が輪転機、オッフェンバッハ工場が枚葉印刷機と鋳造、プラオエン工場が産業用印刷機械を分担。プラオエン工場の小型新聞印刷機事業はアウグスブルクに移管する。
\新たに立ち上げる技術サービス部門ではコンサルティングや専門技術者の派遣事業などを展開。人的な経営資源を活用し、収益源に育て上げる意向だ。従業員300人を予定している。
\人員削減は当初800人を予定していたが、今回の措置に伴い2012年末までに計1,300人へと拡大し、社員総数を6,000人とする。これに伴うコストは計5,000万ユーロ。一方、コスト削減効果は2013年以降、年5,000万ユーロを見込む。
\印刷機械業界はインターネットの拡大を背景とする市場の縮小と金融・経済危機のダブルパンチに見舞われ、業界では昨年から合併の機運が高まっていた。だが、Manrolandと最大手Heidelberger Druckmaschienenとの合併協議は独禁法上のハードルが高くとん挫。ManrolandとKBAの合併の可能性も今回の発表でついえた。
\