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2010/9/29

企業情報

Merck KGaA―MS治療薬に欧州医薬品当局が否定的見解―

この記事の要約

製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)は24日、欧州医薬品審査庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が同社の多発性硬化症(MS)治療薬「Cladribin」に対し否定的な見解を出したことを明らかにした。欧州連合(EU […]

製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)は24日、欧州医薬品審査庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が同社の多発性硬化症(MS)治療薬「Cladribin」に対し否定的な見解を出したことを明らかにした。欧州連合(EU)の欧州委員会はCHMPの勧告に従って新薬販売の許否を決定するため、同薬が近い将来、欧州で発売される可能性はなくなった。Cladribinに対しては米国食品医薬品局(FDA)もMS治療薬としての販売申請を却下しており、Merckはダブルパンチを食らった格好だ。

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CHMPは同薬について、服用の効果よりもリスクの方が大きいと判断した。Merckが認可の再申請を行うにはCHMPの懸念を払しょくする新たなデータが必要となるため、欧州で販売許可が下りるのは早くても2012年にずれ込むとみられている。

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Cladribinは経口投与タイプの新しいMS治療薬。これまでの治療薬と異なり注射をする必要がないため患者のメリットは大きく、巨大な需要が期待できる。競合のNovartisは22日、経口MS治療薬「Gilenya」の米国販売をFDAから承認されており、Merckは差をつけられている。

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